フロアコーティング

床を傷や汚れから保護します。椅子の擦れや食べこぼし・ペットのおしっこから保護し、フローリング特有の固くつるつる滑る表面にコーティングしてグリップが効くようになるのでペットを股関節脱臼などの危険から守ることが出来ます。

インテリアオプションでは、売り主のご要望によりフロアコーティングをお勧めしなかったり、剥がすことが可能な水性ワックスをお勧めしたりしております。

スタッフはそれぞれの仕様に合ったコーティングをご案内するので安心です。

フローリングの種類、コーティングの種類、メリット、デメリット、メンテナンスの仕方を見てみましょう。

フローリングの種類

フローリングの幅や張り方、樹種の色や木目の出方でお部屋のイメージが変わるほど印象が違う床ですが、どのような構造になっているのでしょうか、それぞれの長所や短所があります。

無垢(単層)フローリング

ソリッド材は調湿効果があり肌触りや香りが良いです。

天然木は呼吸をしているので、フローリングも保湿量と共に収縮して、割れ縮み反りといった現象が起こります。

経年変化により色に深みが出てきます。

傷や汚れも削りや洗いで修復可能です。ソリッド材の特性を活かすには、材料の細胞を塞いでしまわないワックスでの小まめなメンテナンスが必要です。

熱処理や高温処理をして収縮率を抑えて床暖房可能な無垢フローリングもあります。希少価値のある木材をふんだんに使用するので高価です。

複層フローリング

ソリッド材の欠点を補う形で薄いベニヤを垂直に重ねて接着した合板基材の表面に薄くスライスした天然木を貼り付けたものです。

施工性も無垢フローリングと比較して良く、反りや割れ・収縮がありません。

価格もソリッド材にに比べて安価で天然木の風合いがあります。

表面に貼る天然木の厚さは0.3~5mmと色々ありますが、厚みのある方がより深みがあるため高級感がでます。

裏面に吸音性能のあるゴムを貼ったり、熱を持っても収縮しない性能をもたせたり、キッチンには水に強い表面コーティングをしていたり、天然木の細胞に樹脂を浸透させてWPC加工し傷や衝撃に強い性能を持たせたり、リビングに床暖房を持つLDKなど、複層フローリングにすることにより色々な性能をもつフロアーを同じ表面材で揃えて使えるようになりました。

シートフローリング、ノンワックス・ワックスレスフローリング

複層フローリングの表面に天然木ではなく、MDF(中密度繊維板)をオレフィンシート(木目をプリントしたプラスチックシート)で包み圧着した物を張り合わせたフローリングです。

現在では主流になってきた床材です。MDFは木屑等を繊維状粉砕して糊で固めたもので本の装丁の厚紙にも使われるものです。

非常に軽く加工もしやすく、女性や子供でも簡単にフローリングの上に貼るだけでリフォームする動画があったりします。

MDFは木屑を固めた物なので傷から水分が入ると膨れてきます。

糊を水に強い樹脂にして傷や水濡れに強いMDFも出ています。

シートフローリングがノンワックスフローリングと呼ばれるのは、表面が天然木を貼ったものではなく、プラスチックにプリントしたものなので、天然木特有の水濡れなどによる繊維の毛羽立ちをワックスで保護して木目に艶をだし美しく保つ必要がないからです。

シートフローリングの表面に製造工程で印刷面を保護するEB(電子線照射により硬化させる)やUV(紫外線照射により硬化させる)コーティングが既に施されているものは、クイックルワイパー等の科学雑巾のワックスが浸透せずに塗装上に残り汚れの元になってしまったり、化学変化により変色することがあります。

オレフィンシートの印刷面は経年によりダイニングチェアーや歩行の擦れや傷による印刷面の剥がれや色の薄れが出てきますし、フローリング表面の細かな傷から水分が入ると下地の紙の部分に膨れが出てきますので仕様書を確認してフローリング建材メーカーの推奨するワックスや床を保護するコーティングをお勧めします。

コーティング前工程で水を使って清掃すると床が水分を含んでしまうので、フロアコーティング業者様を選ぶ際は経験や実績のある専門業者先選びをお勧めします。

EBコーティングの耐久性

ノンワックスシートフローリングと呼ばれる床に既に施されているEBコーティングとは、木目調の印刷面を守るために電子線で硬化させるコーティングで、ある程度の耐久性能がありますが、プリントシートの基材で凹みに耐久性を持たせるためにクッション性を持つMDFボード(中密度繊維板)を使用している為、仮に傷がついてしまった場合は水を吸収してしまい膨れが生じます。

一条工務店i-smartの施主様方が非常に分かりやすい実験をしていますので、参考にさせてもらいました。(ブログ名をクリックすると元記事のリンクが開きます)

一条工務店i-smartで建てるスマートハウス!フロアコーティングをする?しない?/さすけ氏

こちらも、大変参考になる実験です。

クロまめ、名古屋の植民地でi-smartを建てる/クロまめ氏

コーティングの種類

施工業者様により名称は変わりますが大別してみました。

水性コーティングはメーカーや業者様独自に日々改良を重ねて耐久性の良いものがでてきています。

床の仕様とコーティング剤の密着性の相性もあります。

住宅の寿命(30年~100年超住宅)の考え方にもよりますが、水回りの設備機器・内装材やライフステージの変化によりリフォームや補修のタイミングも様々です。

シートフローリングと相性が良いのはガラスコーティングですが、インテリアオプションでは扱っておらず、インテリアオプション外のコーティング業者様で依頼した場合は(床は水分に弱く水を多量に使い既存のワックスを剥がすなどの作業は床材や下地を痛めて床材の反りや膨れ・床鳴りの原因になる為)、販売不動産会社の瑕疵責任の保証対象から外れてしまう可能性もあります。

ご自身で納得できるものを検討しましょう。

フロアコーティング比較表

ガラスコーティング、UVコーティング、シリコンコーティング、ウレタンコーティング、アクリルコーティングを性能別に比較してみました。

油性・水性油性油性油性油性・水性水性
種類ガラスコーティングUVコーティングシリコンコーティングウレタンコーティングアクリルコーティング
初期価格/㎡¥6500~/㎡¥3500~6500/㎡¥2000~4000/㎡¥2000~3000/㎡¥1000~1200/㎡
価格/30年後換算¥6500~/㎡¥5250~9750/㎡¥3000~6000/㎡¥6000~9000/㎡¥10000~12000/㎡
耐久年数20~30年20年以上10~20年5~10年2~3年
硬度8~9H6H5H2~3H1H
安全性△安全性の確認必要
耐屈曲性△はがれやすい
黄変無し無し無し日が当たると黄変無し
耐水性〇分子構造が小さい◎撥水効果有
耐薬品性
床暖房耐熱性
防滑性◎滑りにくい
艶・被膜〇上品な艶館・薄い5μ◎鏡面の艶・暑い30μ~〇自然風合いの艶・厚い〇選択可能・厚い〇艶出し・厚い
施工日数要確認1日1日1日1日
歩行可能硬化2日1日2~3日2~3日2~3日
完全硬化日数2週間1日1ヶ月1ヶ月1週間
補修塗り直し✖補修後の上塗り不可〇割れ剥がれ上塗り可能✖上塗り不可水性は上塗り可能〇塗り直し可能
特徴漂白剤/塩素系洗剤で溶解衝撃で割れる可能性有ひび割れに強い耐摩耗性に強い直塗・追塗可能・剥がせる
紫外線カット効果有特殊機材と高技術力必要UV反射吸収で日焼予防埃の舞い上がり防止
ナノコンポジット技術で密封

ガラスコーティング

ナノコンポジット技術により1–100nm(nm:1メートルの10億分の1)の大きさに粒子化した無機化合物のシリカ粒子(ガラス微粉末)を樹脂に分散させた液体ガラスによるコーティングで密封してしまう為、薄い被膜でも汚れや水分を通しません。

耐屈曲性があり耐久性や耐薬品性共にバランスが良いコーティングです。

塩素系漂白剤で溶けるのでこぼしてしまった場合はすぐに拭き取りましょう。

UVコーティング

紫外線照射により瞬時に被膜を硬化させる為、短期間で施工が完了する。

特殊な機材が必要で施工業者により価格に差がある。ピアノのような高級感のある光沢と長期間続く耐久性。

シリコンコーティング

比較的安価で見栄えが良いが、きわめて早期に黄変し、補修が難しい。

職人の技術により仕上がりにムラができることもあるため経験の豊富な施工店の選定が必要。10年以上居住予定の住宅の場合は、塗り直しができないためシリコンコーティング自体の寿命(10年程)以降の床の張替も考慮して検討の必要もある。

油性・水性ウレタンコーティング

最も長い歴史があるコーティング方法ですが耐久年数が10年程で、10年毎に剥がして塗り直しの必要がありますが、水性は剥がせるので塗り直しにより床が綺麗に蘇ります。

油性は剥がせません。混ぜる溶剤によっては赤ちゃんやペットに有害な物が含まれている場合も一部あるので、安全性の規格基準に適合しているかエフ・フォースターマークを確認しましょう。

水性コーティングはメーカーや業者様独自に日々改良を重ねて耐久性の良いものがでてきています。

水性アクリルコーティング

シーラーなどのコーティング下地を使わずに直塗りできるので施工も比較的簡単でDIYなど腕に自信があれば可能です。

剥がすことも可能で、アクリルコーティングの上に他のコーティングを上塗りできるので、耐久年数が2年程ですがペットや小さなお子様がいて予算を掛けずにとりあえず床を保護しておいて後々コーティングを考える方に向いています。

水性コーティングはメーカーや業者様独自に日々改良を重ねて耐久性の良いものがでてきています。

フロアコーティングのメリット

艶・光沢があり傷つきにくい。

食べこぼしなどは、さっと乾拭きでお掃除が楽。

グリップがきくのでペットや小さなお子様・ご高齢者が滑りにくく安心。

日射の床反射で部屋が一段明るくなる。

フロアコーティングのデメリット

費用が高い。床材の保護はしますがコーティングの表面はダイニングチェアーの擦れ等半年ほどで目に見えない傷が出来てくるので、食べこぼしや水濡れ等によるダメージも考慮してどの程度の年数(10~20~30年)でどの程度の美観と保護性能があれば許容範囲なのか、家具の移動費用が掛かりますが5~10年周期で塗りなおしをするのか、総費用を年換算で計算してみると分かりやすいです。

水性のコーティング剤は水洗いなどで既存のコーティング塗膜を剥がして塗り替え可能ですが、油性の物は剥がせないものが多く、上塗りできない場合は、美観に妥協できない場合はリフォームで床の張替えになります。

ライフステージも変化しますので、例えば20年後子供も独立して間取りやお部屋の用途の変化に合わせてリフォームとなれば、床のコーティングの耐久年数もそのくらいをめどに考えることができます。

メンテナンス

普段のお掃除は乾拭きで、汚れは中性洗剤を薄めて固く絞った雑巾で拭き落とし洗剤成分がコーティング表面に残らないように拭きあげます。